「税金は財源じゃない」の3種類の説明の仕方について

本記事では「税金は財源じゃない」の3種類の説明の仕方について、解説します。

前置き

  • この記事は、主に積極財政の大切さを十分に理解している方向けに書いています。財源研究室の伝え方を越えた範囲でも解説していますので、一参考資料として読み考えて頂けたら有難いです。
  • 物事の見方は相手によって様々です。誰もがあなたと同じことを考えられる訳でもありません。どのような表現が効果的に伝わるかは相手次第です。
  • 3種類の説明の仕方の長所そして短所を見極めて、使って頂けたらと思います。
  • なお税金が財源であろうがなかろうが、①政府のお金の使い方に国民が口出しできない訳ではありませんし、②今の積極財政の必要性を伝えられない訳ではありません。
  • 出来るだけ多くのひと、生き物、地球環境そして巡り巡ってあなた自身が救われるいい世の中にしていくために
    相手によっては「税金は財源じゃない」の伝え方に固執することなく、説明して頂けたら幸いです。

 

「税金は財源じゃない」の3種類のパターン

パターン1:スペンディングファーストにもとづく「税金は財源じゃない」

圧倒的な主流派である「税金は財源じゃない」の説明の仕方です。もしかしたら、読んでくれているあなたの方が詳しいかも

「政府支出は新年度の4月から始まるのに、税金の確定申告は年度末・・・あれ?順序が逆じゃない?」という風に、相手に疑問の取っ掛かりを簡単に作ることができます。

 

パターン2:租税貨幣論にもとづく「税金は財源じゃない」

井上純一さん提唱(?)の「税金は財源じゃない」です。

説明はこの漫画のように行います。

お金とは何かまで理解の進む説明の仕方だと考えます。

 

パターン3:そもそもお金自体、本当の財源じゃない

財源研究室流の説明の仕方で、money creation(マネークリエイション、信用創造)により無から生まれるお金自体、本当の財源じゃないと説明する方法です。

詳しくは (国の、本当の)財源チラシチラシ補足説明をご覧ください。

 

それぞれの短所も知って使い分けを考えてみよう!

まずは、「税金は財源じゃない」の圧倒的な主流派であるパターン1〈スペンディングファーストにもとづく「税金は財源じゃない」〉から短所を説明していきます。

パターン1は相手に簡単に疑問の取っ掛かりを作れ、便利な表現ですが、だからこその短所を持ち合わせています。

短所は簡単に言うと、深い議論に弱いことです。

 

パターン1の短所その1:結局、担保は税金なんじゃ?

新年度の政府支出は、広い意味での国債である政府短期証券によってまかなわれます。

税金徴収後に、税金によって一部の政府短期証券は償還され、残りは狭い意味での国債となります。

 

政府短期証券が後から徴収される税金を担保として発行されているとの見方をすると、結局、「税金が財源なんじゃ?」ととらえられてしまう恐れがあります。

 

パターン1の短所その2:税金が財源じゃないなら、財源って何?

パターン1は税金の説明に焦点を当てているため、「じゃあ財源って何?」の疑問には答えにくいのが2番目の短所です。

パターン1のスペンディングファースト的な考え方を広げて「財源は(税金徴収よりも国債発行よりも先に行う)政府支出」であると説明する方も見受けられます。

政府の意思が財源であるということを伝えたいのだと推察しています。

 

しかし、政府支出というのは、お金が民間に届く一連の過程の1つに過ぎません。税金徴収よりも国債発行よりも先に行われているだけです。

この論法の「先の先」をとる反論として、政府支出の前に行う前年度の税金徴収によって、財政スペース(政府支出を受け入れる際に必要な、モノ・サービスの供給能力)の空間を作るから、税金も財源であるという指摘も見受けられます。

しかし、この財政スペースを作るための税金徴収も一連の過程の1つに過ぎません。

そんなことを挙げていったら、国会での議論が財源であるとか、選挙こそが財源であるとか不毛な議論に陥ります。全て過程の1つです。お金が民間に届く過程(条件)なら、何でも財源なのでしょうか?

 

このように、難しいこと考えがちな相手では、パターン1の説明の仕方は上手く伝わらない恐れがあります。

 

パターン2〈租税貨幣論にもとづく「税金は財源じゃない」〉は、特に目につく短所は見当たりませんが、あえて挙げると以下のような懸念点はあります。

① パターン1と同様に、「じゃあ財源って何?」の疑問には答えにくいこと

②マイナーな説明なので、パターン3と同様に、説明を上手くできるひとが少ないこと

③パターン1のような簡単な説明は”現時点では”難しいこと
*言葉で説明するより、井上さんの漫画を見せたらいいかもしれません。パターン3も同様に財源チラシを見せた後の説明がいいかもしれません。

 

パターン1、2の短所となる「じゃあ財源って何?」への返答は、

【財源は必要ない。唯一の制約は、政府支出したときに、政府支出を受け入れるだけの、モノ・サービスの供給能力が私たちにあるかどうかだよ!】というように答えるのがベターと考えます。

 

パターン3〈そもそもお金自体、本当の財源じゃない〉は財源を私たちのモノ・サービスの供給能力と説明し、「じゃあ財源って何?」の疑問にも答えられる方法です。

パターン3の短所としては、財源=お金のことだと頭ガチガチに信じるひとには、意味不明の表現となり通用しません。

そもそも、財源って何のことだろうと、お金の範囲にとらわれずに柔軟に考えていけるひとに向いています。

 

「税金が財源じゃない」が通じなくても、伝え方の方法はある!

最後に、おまけとして、「税金が財源じゃない」が分かってくれなかった場合の説明の仕方をご紹介します。

「損して得取れ」のことわざや「北風と太陽」の寓話を取り入れ、積極財政で民間をうるおせば、後から税収が伸びるという説明ができます。

子供の教育に国の財政を例え、教育にお金を使った場合と使わなかった場合、どっちが子供が伸びるの?というような問いかけもできます。(もちろん、子供の資質や性格にあわせ、どのようにお金を使うかも大事となります。国の財政だって同じです)

 

本当に大切なことは、「税金が財源じゃない」ということを広げることではないはずです。あなたが目指したい世の中にしていけるかどうかのはずです。

柔軟な伝え方の参考に以下の記事もお読み頂けたら幸いです。

世界最悪の「国の借金」“対GDP比”の問題が(名目)GDPにあることを分かりやすく解説

【藤井聡】財政再建を叫ぶなら消費税を5%減税せよ ~税収シミュレーションが指し示す『真実』~

 

 

「税金は財源じゃない」の3種類のパターン

パターン1:スペンディングファーストにもとづく「税金は財源じゃない」
  • ◎説明が簡単 ●深い議論は苦手
パターン2:租税貨幣論にもとづく「税金は財源じゃない」
  • ◎バランス型
パターン3:そもそもお金自体、本当の財源じゃない
  • ◎本質追求型 ●固定観念が強すぎるとNG

 

 

財源研究室HP サイトマップ