01-01.本当の財源はモノ・サービスの供給能力

 

  • この説明は第4版からの新たなチラシ説明です。第3版までの説明はこちら

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供給能力とは、何らかのモノ・サービスを提供するのに必要な労働力、原料、技術、設備、インフラ(道路とか連絡手段とか)のことを指します。

供給能力が大切であり、事実上の財源であること例え話で説明します。  

 

  • 無人島での例え話

非常事態になればなるほど、本当に大切なものが見えてきます。 無人島での出来事を考えてみましょう。   

 

もし、A君とB君が乗った豪華客船が遭難し、乗客だったA君とB君は遭難して無人島に流れついたとします。A君とB君は知り合いでもなく、同じ国から来ている訳でもありません。遠く流されたので早期の救助は望めないと2人は考えています。  

そんなとき、A君(日本から来ているひと)はB君にどうやって協力を頼みますか?

 

 

お願い(1) お金(日本円)を支払うから、料理を手伝って欲しい。

お願い(2) 力仕事をするから、料理を手伝って欲しい。   

この場合の正解は(2)となりますよね?

A君はB君に力仕事というサービスを掲示することでB君の協力を得ようとします。

 

   帰るあてもないし、帰ったとしても日本から来ている訳ではない相手には、使い道のないおカネ、日本円を渡して協力を得ようとしても無駄というものです。    

おカネよりも無人島での生活で何より必要なのは、モノ・サービスの方です。そして、モノ・サービスの供給能力、A君の労働力が大事となってきます。

 

敗戦直後の会話

無人島生活と同じように非常時であればあるほど、本来、必要とされるものが見えてきます。

敗戦直後の会話も見ていきましょう。

 

  • 国同士の取引の場合

国同士の取引もモノ・サービスの供給能力で成り立っています。

モノ・サービスの供給能力の差が、為替レート、経常収支(や貿易収支)に反映されていきます。

 

国内需要に対して、供給能力の乏しい国は輸入で足りない分を補うしかなくなり、

海外収支(経常収支)は赤字、外貨不足、自国通貨安の状態に陥ります。輸入品は高くなり、インフレも進みます。

この供給能力の不足し起こる現象をお金の問題と錯覚し、一時的に解決しても、モノ・サービス不足を解決出来なければ更に事態は悪化します。

 

(1) 外貨不足を外貨建て国債を発行することで補い一時的に外貨得ても、モノ・サービス不足を解決出来なければ、そのうち財政破綻に陥ります。

(2) 自国通貨安を解決しようとして、固定相場制(ペッグ制)を導入した場合は一時的に為替レートは安定します。しかし固定相場制は、変動相場制の長所であった通貨安で輸出を促進させる効果を打ち消します。輸出産業を衰退させ、つまりは供給能力を更に減らします。
また、固定相場制を維持するために、自国通貨「買い」の為替防衛で外貨を売る続ける必要があり、外貨不足を更に進め、売れる外貨なくなれば、為替暴落を引き起こします。 
詳しくは→外為市場・国債市場から政府をコントロールする「奴ら」[三橋TV第157回]

(3) インフレを抑えこもうと価格管理政策をとれば一時的にインフレは止まります。一方でモノ・サービスを提供する側の利益は抑えられることとなり、国内の供給能力は厳しい打撃を受けます。安易な価格管理政策により、事態は悪化し、ハイパーインフレの引き金にも繋がります。
詳しくは→Modern Monetary Theoryの概説(note版) 

+α 海外収支を改善するため、簡単に稼げる産業に特化していった場合、一時的に海外収支は改善します。しかし世界情勢の変化により特化した産業が世界から必要とされなくなると海外収支は悪化します。一転して外貨不足、自国通貨安、高インフレの状態に急転落します。
例.プランテーション農業、景気変動に左右される観光業 に特化した場合 
~国家として、あらゆる事態に備えられるように、あらゆる産業の供給能力を確保していくのが正しい解決法です。

 

このように、本来、国民は自国で供給出来る分しか、モノ・サービスを得ることは出来ないものなのです。

これはお金をいくら刷ったかとかには関りはありません。自動的にインフレや通貨安によりお金の価値は減り、国内の供給能力に一致するように調整されます。

つまり、限りあるものという意味での財源は税金でも国債でもお金でもなく

「供給能力こそ本当の財源」なのです。

財(モノ・サービス)を生み出す源~財源 = 供給能力 です。

 

一方で、長年の高い供給能力のおかげで、海外に資産まで持っている日本にはまた別の問題があります。

 

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日本の現状をもう一度確認する →○政府のお金はどこから借りているのか?

 

(おまけ)

一方、海外に貸しを作り続ける今の状況に何も問題ないかというとそうではありません。

現在の日本は長期に渡った貿易黒字を国内へと還流するのではなく、海外へと再投資することによって利子・配当等の収益を上げられるような国となっています。

「モノづくり日本」から「金貸しの国 日本」への変容です。

引用元:内閣府資料

  • 第一次所得収支:対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。

 

恨まれる側にとっては筋違いと思うかもしれませんが、金貸しで儲ける国は、金貸しが恨まれるのと同じように他国から恨みを買います。

米国による欠陥が疑われる武器や遺伝子組み換え作物の、日本への買い取り圧力も貸しの解消の延長線上で行われます。日本には自国の供給能力に見合った国内需要を作り出す国際的な義務があります。要するに供給能力に見合った財政拡大をしなさいということ。義務を果たさなければ、場合によってはゴミを買わされる羽目に陥ります。

 

 

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